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メルマガ「共創コーチング®」共創コーチ養成スクール稲垣 友仁

悩む

おはようございます。稲垣友仁です。

先日、ある短期大学で講義をしました。
この短期大学では教員養成コースがいくつかあり、1学年150人ぐらいの学生に講義をしています。

その講義が終わったあとに、教壇で片づけをしていると、ちょっとパワフルな女子学生が私の所にやってきて、

「先生、友達が教師にならないって言ってるので、この子の話きいて、コーチングしたってよ」と言ってきました。

そして、その後に、細々とした女の子を呼んで連れてきました。

パワフルな女の子は、細々とした女の子に向かって、
「あんた、わたしらはどっかへいくで、ちゃんと先生に思ったこと話しなよ。」と言ってどこかへ行ってしまいました。

私と二人になった女の子はちょっと緊張していましたが、意を決して、力いっぱい自分が考えている悩みを話してくれました。

話を聞いていくと、
自分には、本当は違う夢があったけど、挫折して第2希望の夢を追っていることや、このままいくと、この職業は自分には合っていないように思えて、やっていけないんじゃないかという不安なことなどを、ちょっと目線をそらしながら一生懸命話してくれました。

きっと、パワフルな女子学生のお膳立てがなければ、私に質問しには来ることはないようなタイプの子だったと思います。繊細であるがゆえに、周りを気遣って生きている感じが、ちょっと痛々しく、緊張感がとても伝わってきました。

最終的に答えは出なかったのですが、彼女には才能があることや、向き合っていることが素晴らしいことだということを伝えました。

僕は、なぜか、その子がそういう悩みを言ってくれたことが嬉しかったですし、言えたことが、すごいなと思いました。

同じような悩みを抱えている学生もきっといると思い、次週の講義の最初の段階で10分ぐらい、彼女の悩みにこたえる形の講義を行いました。

悩むというのはとても大事なことだと。
悩むということは、本当は良くなりたいという想いが奥底にある、自然な流れなんだ。
そのエネルギーに真正面から向き合っているそのプロセスが今後の人生でなによりも大事だと。

講義では、質問に来てくれた子のことを言ったわけでなく、違う形で例を出して話しました。
僕も過去にたくさん悩んで、逃げた時のことや、向き合って良かった時の事など話しました。聞いている子もいれば、寝ている子もいます。

とりあえず、その講義が終わって、帰ろうとしていたら、前回、悩みを話してくれた細々とした女の子が僕の近くに、今度は一人で来てくれました。

そして、

「先生ありがとうございました」と、一言だけ、お礼を言って帰っていきました。

去っていく彼女の後ろ姿を見ながら、何となく先週よりたくましくなった彼女を見た感じがしました。

今週は、あなたの周りに悩んでいるような人がいたら、承認してあげて下さい。「よく頑張ってるね」と。そして話を聞いてあげてください。それだけで十分なのではないかと思います。

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