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メルマガ「共創コーチング®」共創コーチ養成スクール稲垣 友仁

教えない技術指導

おはようございます。稲垣友仁です。

現在、夜になると我が家はベースボールスタジアムに早変わりします。
リビング全体を使って、私と4年生の息子とで、柔らかいボールを使って野球を行うのが日課となっています。

特にバッティングでホームランを打つのが楽しく30分ぐらい盛り上がっています。

その中で、いろいろと指導的実験を行っています。

野球初心者の子どもに、どのように教えるとうまくなるか?というテーマです。特にバッティング。
最初の頃はあまり打てませんでした。30分やってヒット性の当たりが数えるほど。
今では、ほとんどがミートできていますし、振りがプロ級で、バシッと振りぬきます。

1ヶ月ぐらいやってきて、やはり、教えすぎると体の動きがぎこちなくなる感じがつかめてきました。

事前に
「ボールをよく見てね」とか
「ヘッドを立てて、たたくんだよ」
というと、できる時もあるのですが、その後に他の球種に対応できなくなることが多いように思いました。
そういったティーチングではなく、コーチングの技術でもある、フィードバックと質問を多投してやっています。

○フィードバック
「いまのは、最後までよくボールをよく見てたね。」
「いまのは、膝を折ってよくボールに食らいついていったね。」
「ホームラン打たれたー」

○質問
「どうしたらファールにならずにフェアグラウンドにボールがいくのでしょうか?(アナウンサー的に)」
「ホームランを打った時と、打てない時では何が違っているのでしょうか?(アナウンサー的に)」
「今、どうやって打ったの?」

プライベートに1対1だからこそできるのですが、1ヶ月経って、スイングが鋭く、ほとんどがヒットゾーンに飛ぶようになっています。

話しは変わりますが、
技術指導のコーチングで注目すべき書籍が「インナーテニス」というティモシー・ガルウェイが1974年に書いた書籍です。

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4817202106/passionforlif-22

スポーツ指導において、一般的には経験のあるコーチが指摘したり、教えたりすることで、技術を習得していくとみられがちで、それらは今でもよく行われています。
しかし、ガルウェイ氏は選手に対する言葉を減らして、ただ選手を観察したときに、選手が自然に正しいやり方を習得するのを見つけ、そこから、彼は「教えない」コーチング手法を開発していきました。

逆に、下手な指示命令は、選手のハイパフォーマンスの邪魔をする可能性があるそうです。
この本の中では、「フォームありきの技術指導」ではなく、人間が元来持つ「自然習得力」をもっと信頼すべきだということが書かれています。
その考え方のベースにあるのが、「我々の身体は本来自然に運動に対応するようにできている。」という考え方です。
ああしよう、こうしようとする意識が、筋肉の動きを硬くして、ぎこちない動きにしてしまう。そうではなく、自分の内部に任せるのです。本当の自分を引き出してあげるのです。そのためのアプローチとして、質問を主体として技術習得させていくのがインナーテニスで提唱されていることです。

まさにこれを試してみました。

とにかく、気持ちよく自分の考えと感性でやらせてあげる。
自然なガイドをして、細かいところにフォーカスしてあげる。

これは、やっている本人も気持ちいいだろうし、教える方も流れに自然にそえて楽しいし、何より上達が早いです。

教える前に、まずはやらせてみる。それに対してフィードバックがあれば、本人自身がそのフィードバックを自然に取り入れていくものなんだなあと改めて人間が持っている自然習得力のすごさに感動しています。

怖いけれどワクワクすること
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